コロナを巡って②

前回は「集う」こと、「つながる」ことを巡ることについての覚え書きだった。

今回は、その中で見えてくる「リスクと管理」の問題についての覚え書き。


こういう情勢になると、それぞれの法人や事業所がどのような理念や方針を持っているのかがかなり鮮明に見えてくる。(都市部とそれ以外では違いもあるので、一概には言えないが、あくまで地方(田舎)の話として)
感染のリスクを避け、全面的に電話等の非接触的な手段をとる事業所がある一方で、リスクをなるべく抑えた形で、事業所を続けようとするところもある。グループホームでも、感染を防ぐため外出を制限したりするところもある。
精神科デイケアでも、他者と共有する活動(料理、トランプ、ボードゲームなど)を中止しているという声も多く聞いている。

その塩梅はとても不確定な場所にあると思うのだが、なるべくリスクを回避しつつも、これまで通りの運営を行えることは、その事業所の管理的な側面をどれほど低減させることができるのかという問題にもつながるように感じる。
そして、これまでどちらかというと管理的な側面の強い事業所等が、今回のコロナの影響を考慮して一律に閉鎖したり、利用者に制限を強くかけている印象を持つ。

精神保健福祉分野では、その管理的な側面について強く異議申し立てがあり、「病院から地域へ」という(実際にはさほど機能しているとは言えない)スローガンも掲げられた。
精神科病院の持つ管理的な面についてはもちろんのこと、地域へ出た先でも「地域の施設化」という指摘も多くなされている。
敷衍できるほどの精確さはないが、今回の件でいち早く管理的な方針を打ち出したのは病院であり、その次に施設的な地域事業所もその流れに乗ったように思う。

「リスクと管理」
この情勢下ではなかなか主題として挙がってこないものだが、今後のことも含め、注視しておくことが必要だと感じている。